中小製造業、育成しない問題
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近況
先日、土曜日に埼玉県内の中小製造業のお客様に対して、研修の実施を行ってきました。
【仕事の進め方研修】という研修でして、大まかな研修のメッセージとしては「仕事の成果は相手が決める」「頑張りましたはゼロ円(価値がない)」という内容の少し厳しいフィードバックを含んだビジネススキル寄りの研修でした。
実は、当日は息子(年長さん)のダンス発表会がありまして、私は前述の通り、研修実施があり見に行くことは出来なかったのですが、帰宅して、その日の夜に発表会のダンス動画を見ました。
発表会まで自宅でも時間を決めて練習していたこともあって、自信を持って堂々と張り切って踊っていて、とても感動しました!
昼間はお客様に「頑張りはゼロ円」と言ってきたのに、「やっぱ…一生懸命やるって凄い大事なことだよなぁ…」としみじみしてしまいました。
仕事においても、やっぱり一生懸命にやることって大事ですよね。
一方、一生懸命やる【だけ】では、仕事にならないですし、何より、結果が出ないと本人もつまらなくなっていってしまいますよね。
一生懸命さが、ちゃんと実を結ぶように、心構えやビジネススキルを整えていって、その上で、更に結果・成果を出して、より自信を持って一生懸命にやれるような循環を作ることを、私達はやりたいんだよなぁと、息子のダンスを見て、改めて実感しました。
中小製造業あるある
ホームページ内にも各所に記載していますが、私は中小製造業で長く働いてきました。
中小製造業では、現場ができる人が課長になる、売上が多い人が課長になるといった形で、現場で結果を出せる人がほぼ自動的に管理職になります。
そうすると何が起きるかというと、たとえば、教え方を教わっていないのに、人に仕事を教えなくてはいけなくなるんです。
教えるのが得意な方や、心根の優しい方なら、苦も無く出来てしまうのかもしれませんが、私にはとても難しかったです。
お恥ずかしい話ですが、サラリーマン時代の私は、部下の育成が全くできませんでした。
「なんで出来ないのかわからない」と言った態度で、部下に「課長は出来ない人の気持がわからないんです!」と泣かれたりもしました。
何が言いたいのかというと、中小製造業では、知っていないと困るスキル・知っていれば済むスキルを教わる機会が全然ないんです。
現場のマシニングの使い方や、QC活動に関するセミナー、新しい刃物のセミナーなどは積極的に参加するわりに、組織の根幹となるような育成についてや、問題解決の考え方、もっというと、働く心構えや主体性についても教育がなされず、本人の元の性格や元の能力にのみ依存しているような状態です。
これでは、成果の出る事業を運営していくことは非常に難しいです。
私自身は、役職が上がって大きな裁量を渡された際に、このままではマズイ…と思って、中小企業診断士の勉強を始めました。
その際に感じたのは、「セオリーあったんかい!」ということです。
それまでは、先輩・上司のやり方を鵜呑みにしたりしながら見様見真似で仕事の仕方を覚えてきました。それでも、教えられたことの中には、それだけが正解じゃないよなと思うこともあったり、Aさんに言われたとおりにやったらBさんに怒られたりというようなこともあり、人によってぜんぜん違うことを言うなぁという気持ちもずっとありました。
ところが、中小企業診断士の勉強をしてみると、一定のセオリーがあることに気が付きました。こんな風に通常は考えるといいよ、問題が起きたらこういう順番で考えると良いとされているよといったことが沢山あったんです。自分の努力不足が悪いのですが、「早く知りたかった~」と思いました。
大きな弊社のテーマとして、知ってればもっと楽しく働けて、成果が出せるようなスキルを、幅広く製造業の皆さんに知ってほしいという想いがあります。
弊社にも最近、「そろそろちゃんとした育成を考えないと…」「何からやったらいいだろう」とご相談いただく中小製造業のお客様が増えてきております。
感じ方は人それぞれだとは思いますが、この「中小製造業、人材育成しない問題」について、社会環境の変化とともに、問題意識を持つ方が増えてきていることを感じます。
最後に
製造業には製造業の人材育成のポイントや順番がありますので、
「わかる~」「ウチもそうなんだよなー」という方がいらっしゃれば、毎月開催している無料オンラインセミナーに是非ご参加いただければと思います。
このブログでは、日常で感じた気付きの共有や、弊社の人材育成に対する考え方・想いを綴っていければと考えております。
また、お会いしましょう!