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中小製造業のプロジェクトマネジメントについて

先日、製造業のお客さ間のところで「プロジェクトマネジメント」の研修を行ってきました。

新しく作ったプログラムなのですが、この「プロジェクト」というのが、製造業においてとても大事だと考えているからです。

製造業は、生産・製造がメインの仕事なので、どうしても日々のルーティン業務が重要になってきてしまいます。毎日確実に、予定通りにものを作るという仕事はとても大切なものではあるのですが、一方で、

去年と同じ仕事を、去年と同じようにやっているだけでは、持続的なビジネスを行っていけないことは、想像にかたくないかなとも思います。

ルーティン業務以外の改善活動や技術開発を行っていかないことには、いつかコスト、精度、納期について、他社に置いていかれてしまうでしょう。

製造業の管理職の仕事は、部下育成と、この「プロジェクト管理・推進」であると断言してもいいと個人的には思っています。

ただ、製造業のマネージャー達はこの「プロジェクト」の運営がとても苦手です。

ただ自分がプレイヤーとしてものを如何に早く正確に作るか、という能力と求められてるスキルが全く違うのと、

やはり慣れていないし、その上教わらないからだと思います。

…という経緯があり、会社を、事業を、改善していくためには、いかにルーティン以外の取り組みをしていくのか、そしてそれはどうやってやって行くの?という内容の研修をつくりました。

研修当日の様子

当日、プロジェクトの必要性をご理解頂くためにワークなどを行い、午前中で議事録の書き方という具体的なトピックについて研修を行いました。

私は、普段から、かなり一人ひとりの受講生の顔を見ながら、理解度を確認しながら進めるのですが、どうにも…いつもと様子が異なり、私は困惑をしていました。

言ってることが伝わっているか何度も確認もしました、が、、理解はしてくださっているようなのですが、どうにも腑に落ちないという顔をされている方が多く…。

研修の休憩時間に仲のいいリーダーの受講生の方に個人的に話を聞きました。

以下、リ=リーダー石=石山

石「え、シックリ来てないですか?」

リ「いやー、言ってること自体は分かるんですけど、いつ議事録取ればいいのかなぁーと思って」

石「え、会議結構やってますよね?」

リ「や、会議はしてないですね」

石「え、毎朝やってるのは?」

リ「あー、あれはミーティングです」

石(????)

石「どんなことをミーティングでは話されてるんですか?」

リ「や、決まってないです」

石「進捗確認とか共有とかですか?」

リ「それもやります、あと気になったこととか」

リ「ただ、何か決めたりはしないですし、毎日やってるのでわざわざ記録するアレもないかなと思って…」

石「なるほど、5分10分でサッとやってる感じですか?」

リ「や、30分から1時間位やってます」

石「え、何のためにやってるんですか?」

リ「わかりません、、要らないと思います」

石(?!?!?)

石(ちょっと分かってきたぞ…)

その足で、社長の元に向かい、

今話したことを共有し、研修プログラムとのズレについて相談しました、ら、

「確かに、何かが決まったり、次回までのtodo が決まったりする会議はウチではやってないかも知れません…」とのこと。

つまり、ミーティング(共有、意見交換)はやっているが、会議(課題・議題に沿った意思決定)というものは全くやっていなかったので、議事録の取り方を聞いて、やり方は理解しても、活用イメージが全く持てていなかったのです。(そして、だからプロジェクトが進んでいなかったんです)

それを受けて、このまま用意してきた研修を実施しても無意味だと私は悟り、一旦予定をひっくりかえして、率直に研修の場で、さっきまで情報収集した話を受講者全員と共有し、意見交換をしました。

その上で、本来人が2人以上集まったら何か決めたり、次回までに何するかを定めたりしないと仕事進まないよね、とか、

今日は何がどうなったら集まった意味があるのか事前に想定しないとダメだよね、であるとか、会議の必要性について合意を作っていき、

その上で研修本編に戻る…という工程を踏みました。

結果的に、意図していたことは伝わり、具体的に、翌週から会議(ミーティング)のやり方を見直し・修正することになり、具体策にまで落とせる所まで着地出来ました。。

この話を他のお客様でしたところ、そこまで細かく見て感じて修正してっていう風に「ローリングキャッチ」してくれるのが、ほんとうのことさんのいい所だよね、と、仰って下さり、「ローリングキャッチ」というキャッチーさが気に入り笑、今日のタイトルにしました笑

研修でこんなに想定がズレた事がないので、当日は本当に焦りましたし、疲れました笑

が、現場で修正できたことは大きな自信にもなりました。

ちなみに、何故ここに私が考えが至らなかったかというと、多分、私が営業職が長かったからなのではないか…と思っています。

営業だと、どうしても、次回までにこうしましょうとか、あなたの宿題はこれで、私の宿題はこれでと、整理したりするので、会議体がないという想定が出来ませんでした。

また、ひとつ製造業の課題への解像度が上がる、良い経験でした。

また、気づいたことがあれば、こちらでご報告いたします!

長い文章を読んでいただきありがとうございました!

ものづくり高収益化コンサルタント 石山 賢

中小製造業にフォーカスした儲かる製造業のつくり方をお教えします。

製造業の高収益化にこだわり、カネ・モノ・ヒトを軸にした、きちんと儲かる仕組みづくりを得意としている。

高校卒業後、自動車のシート溶接の仕事に就くも1年後に景気悪化、派遣切りにあい失業。何気なく選んだ仕事だったが、ものを作り上げていく製造業に面白みを感じていたので、その後も製造業に転職。今度は営業職として勤務し、トップセールスに成長。数回の転職を経て経営管理職まで経験。組織づくり、営業責任者、原価改善、海外展開、外部企業との連携、新製品開発、経営計画作成など、現場から経営まで製造業の一連の流れを経験している。

これまで、1000人以上の製造業の社長さんとの面談の機会を得てきたが、漠然とした不安や、経営の難しさを漏らす社長さんが多いと感じていた。中でも、リーマンショックの影響を受け、やむを得ず廃業する社長さんの廃業への悔しさを直接伺い、こういった想いをする方々を減らせたら…と思ったことが今のビジネスの原点である。

その後、自己研鑽のために経営のプロと認められる国家資格の、中小企業診断士の資格を取得。経営の知識を得ることで、これまでの社長さんのお話や自分の経験と経営知識が結びつき、製造業ならではの経営の難しさと、製造業できちんと利益を出す方法の着想を得た。自分を育ててくれた製造業への恩返しがしたいと思いたち、貯金・顧客ゼロで、勢いで独立。

なんとか会社をよくしたいという思いと、それに答えてくれる社長さんや、社員の方々の協力で、支援先では2年間で売上高180%達成や1年間で原価低減50%を達成など、めざましい成果を実現してきた。

製造業への恩返し、そして、それぞれの会社の持っている、高い技術力や磨いてきた独自性、熱い想いを、きちんとビジネスの根幹である「収益」に変えていくことが自分の使命だと考え、日々奔走している。

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